「雇用保険に関する大切なお知らせ」が届いた

1月なかばのこと。黄色っぽくてちょっと厚めの封筒が2通、ポストに届いていた。

なんだろうと思って表書きを見ると、「雇用保険に関する大切なお知らせです。開封のうえご確認をお願いします。」と赤い文字で書いてある。送り主は「厚生労働省 職業安定局雇用保険課」。

ついに私のところにも「あれ」が来たのだった。

毎月勤労統計調査の不正

「あれ」とは何かと言うと、過去に支払われた雇用保険の過少給付が発覚したため、その不足分を追加で支払うかもしれませんというお知らせのことだ。

ことの発端は2018年末。厚生労働省が「毎月勤労統計調査」において2004年から長年にわたり不正調査をしていたことが公になった。

この「毎月勤労統計調査」というのは賃金、労働時間、雇用について毎月の変動を調べる基幹統計調査であり、GDP(国内総生産)の算出にも用いられる重要な調査なのだという。(厚生労働省HPより)

本来はすべての事業所を調べなければならない調査のうち、一部をサンプル抽出で調査するというルール違反を長年続けていたため、2004年以降の統計では賃金が本来より少なく算出されていた、というのだ。

雇用保険の給付金はこの算出された賃金をもとに計算される。このため不正発覚によって雇用保険の過少給付も明らかになる。2004年以降に雇用保険を受け取った人は、本来もらえる額より少ない手当をもらっていたというのだ。

過少給付発覚後、追加給付があるかもしれないというニュースが流れたのが2019年10月のことだった。

私は当てはまるのかどうか、よくわからない

追加給付のニュースを知った当初、私には関係ない話だと思っていた。でもよくよく考えてみると、過去2回失業手当をもらっている。

1回目は2006年、会社が倒産したとき。2回目は2012年、普通に自分で辞めたとき。どちらも2004年以降のことだ。

と言っても、やはり確信はない。私にも関係ある話なのかどうか調べたいなと思って、特設ページが立ち上がるのを待って厚労省のホームページを開いてみた。

が、関係あるかどうか調べる方法はとくに書いていなくて「もし関係があれば、いずれお知らせをお届けします」というようなことが書いてあった。

ちょっとがっかりして、それっきり忘れていた。それが2019年11月のこと。そして届いたお知らせ、2通。

なぜ2通になっているのかといえば別々のハローワークで手続きしたからだと思う。

過少給付分をもらうには口座番号を返送しないといけない

お知らせが来たからと言って、あなたにはいくらの追加給付がありますよ、と書いてあるわけではない。平均でこのくらいの額が支払われる予定ですよ、とペーパーに書いてあるだけ。しかもその金額はかなり少ない。

追加給付はのべ2000万人とも言われているので、全体で見ればかなりの金額にはなるけれど、
ひとりひとりは本当に微々たるもの。わざわざここまで手数をかけ、税金をかけて支払ってもらうほどの金額とは思えない。でも、お知らせが来てしまった以上、もらえるものはもらいたい。

同封の用紙に振込口座の番号を記入、返送し、それでようやく支払いのための調査に入るとのことだった。多少面倒だなと思いつつ、口座番号を書いてすぐに返送した。

返送したあとにお知らせをよくよく読むと、計算結果では追加給付なしになることもあるらしい。なんだか抽選の懸賞に応募した気分だった。

日本がどう対応するか、世界が見ている

お知らせをもらってみて、追加給付に関する仕事をしている人の中には精神的に疲弊している人がかなりいるんじゃないかとちょっと心配になった。人の尻ぬぐい、しかも今回は意図的な不正の尻ぬぐいだから割り切らないとやっていられないだろう。

とはいえ、私のように転職も引っ越しも何度もしていて、最初にもらった給付も10年以上前だというのにちゃんとお知らせが届いたというのは驚きだった。何のかんのと言って、日本の公務員はやはりちゃんとしている。

だからなおさら、統計で不正を働いたことが残念でならない。統計での不正は世界からの信用に関わる問題でもあるらしい。再発防止を切に願う。

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