かつて女性は30代が定年だったという衝撃/「日本社会のしくみ」(小熊英二)_DAY13

自宅待機13日目。

今日はまた一転して雨。しかもすごく寒い。外へ出るのはやめて、本を読むことにした。

今読んでいるのは、小熊英二著「日本社会のしくみ」という講談社現代新書の一冊である。

年功序列や終身雇用、新卒一括採用といった日本型雇用と言われるものについて、その成立の起源や問題点などを他国の仕組みなどと引き比べたり、過去の研究を読み解いたりすることを通じ、現代の日本社会がどのようなしくみの上に成り立っているのかを論考していく書である。

薄めの本が多い新書において、厚さが2.5センチある。面白そうだなとは思ったものの、さすがにその場では買うのをためらい、1週間くらい迷ってからようやく買った本である。

自宅待機がはじまる少し前から読みはじめ、そろそろ終章にたどり着こうかというところ。

私は本を読むのが遅くて、しかもこの本は線を引きながら読んでいるので、余計時間がかかっている。

長いけれどわかりやすい構成になっているので、読むうちに日本の雇用や、日本社会がどういう経緯をへてこういう状況になっているのか、だいぶ理解が進んだと思う。

現在の雇用慣行に影響を与えているのが、明治時代の官僚制度や軍隊の階級制度だったとの説を読んだ時は、「なごり」のしぶとさを思った。

「なごり」の例としては、「前任者から引き継いだから」という理由だけで続けている仕事や作業が思い当たる。それをやりはじめた人も、続ける理由を知っている人もひとりもいない。もはややる意味はないからと誰かがやめようとしても、「勝手にやめたらまずいよ…」と抵抗する人が必ずいて、結局そのまま続けられることになる。そういった「なごり」が集まってできているのが、社会なのだ。

そういう意味で、社会を変えるのは容易ではない。もし変わったのだとしたら、外側からの大きな力がかかった場合が多い。たとえば戦争や、恐慌などだ。

もしかしたら、今回のコロナ問題は、社会を変える外側からの大きな力になるのかもしれない。でも、コロナの本当の影響がわかるのは、おそらく今の子どもたちが40、50代になるころ。ずっと先のことだ。

なお、この本の中で一番驚いたのは、結婚するもしくは30~35歳になる女子社員は会社を辞めるように、と定めた企業がかつて多数存在していたことを知ったときである。

30歳そこそこで仕事を辞めさせられてまともに生きていくには、当時なら主婦ぐらいしか方法はなかったのではないだろか?定年間近なのになかなか結婚できなかった人は、相当焦っただろう。この時代に生きてなくて本当によかったな、と40代未婚の私はほっとするのである…。

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