外出自粛の週末

ここ1、2週間ほどで、新型コロナウイルスをめぐる動きがまた大きく変わってきた。

東京都内の新規感染者数が目に見えて増えているのを受けて、3月23日に小池百合子東京都知事が「首都の封鎖(ロックダウン)もありえる」と発言した、というニュースが流れた。

首都封鎖ってなかなか物騒な言葉である。SF小説とかパニック映画とか、フィクションの世界でしか使わないような、現実味のない言葉でもある。

そして、週末28日、29日の外出自粛の呼びかけ。これに応えて都内の百貨店など大型商業施設をはじめ、臨時休業する店がけっこうあったようだ。出歩く目的がなければ出歩く人も少なかろうということだろう。

さて週末。家にいるつもりではいたが、野菜だけはどうしても買いたかったので、ちょっとだけお買い物にでかけることにした。スーパーに行くのは構わないと小池知事も言っている。いつも行く二駅先にある産直野菜のお店へ、電車に乗って出かけてみた。

土曜日の同じ時間に比べると、電車の乗客は1/3くらい。他県からの乗客がいないからだろう。電車に乗る人がゼロではないことにちょっとだけ安心する。

お店に着くと、いつもと比べてかなり混雑していて、野菜の品出しが間に合っていない。開店から1時間くらいしかたっていないのに、すでにカラの棚もある。お客の様子がせわしなく、なんだか落ち着かなくて早々に店を出たら、お花を買い忘れてしまった。

さて帰ろうと駅へ向かう。

この駅の近くにはラーメン次郎の支店があって、改札に向かう時必ず目に入る。ラーメンに興味がない私でもラーメン次郎が人気のある店というのは知っているので、いつも思わず観察してしまう。たいていは昼時でも5人くらいしか並んでいないのが、外出自粛の今日に限ってなぜか30人くらいずらっと並んでいた。しかもほぼ全員男性。最後に並んでいる人がラーメンにありつけるのは30分後か、1時間後か…。

一旦駅の中に入って電車を待とうとしてみたが、気が変わって一駅歩くことにする。ラーメン次郎の長蛇の列を尻目に、近くの桜並木を目指して歩き出す。

出歩いている人は思いのほか多かった。混雑を避け、人があんまり歩いていない道を歩く。ウイルスがどうこうというより、もともと人の多いところは好きではない。下町の裏道をのんびり歩く。しばらく来ないうちにずいぶん更地が増えていて驚く。

道々で出会う桜の木は、今まさに満開。今日は気温も高くて過ごしやすかったし、本来だったらお花見の名所は大賑わいだっただろう。

途中、ターミナル駅の近くを通る。人出はやっぱりいつもよりは少ない。よく利用していたカフェ2件のうち、1件は臨時休業、もう1件は入口のドア全開で営業していて、ほぼ満席だった。

さらに歩いていくと、道の先の方で写真を撮っているおじさんが見えたので、そちらの方へ歩いていく。ふと目を上げると、満開の桜が目に飛び込んできた。やはり満開の桜並木は迫力がある。ほかに写真を撮っている人も何人かいた。こんな時だからこそ、なんだかよけいきれいに見える気もした。

ここからさらに歩いて、近くの公園に行ってみる。小さな公園だが思っていたより人がいて、ピクニックしている親子連れもいた。

猫発見。散歩していて猫に会うと、すごく得した気分になれる。今日はこのほか3匹くらい見かけたので、相当お得な一日である。

公園をあとにし、ここから近くの駅まで歩き、一駅だけ電車に乗って家に帰った。

ネットニュースなどを見ると、都心のほうは本当に人がいなかったようだが、東京辺縁部の生活圏では人々は普通に暮らし、日常の生活を送っていた。そのことにちょっとだけホッとしたのだった。

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